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海と空

吹雪いたり眠かったり疲れていたりする今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。
あれだね、つい夜ふかししちゃうけど、早く寝るのが一番なんだね。
と、この時間に言ってみたりする。
(8時間寝たあと、また3時間昼寝して今は超元気なんて言えない・・・)

最近はあれだ、FFATBをちょっといじってみたりしてます。
もちろん無料範囲で。
結構面白いのね・・・。
DFFの元ネタばっちりじゃないですかー。
ドット絵素敵!
ただしmob(大勢)相手だ。
ただ、古いipodtuchでやっているんですが、人数が回復したり、フィーバーになるとチョコボがお知らせしてくれるのね。ipodは寝る時に目覚ましとしてタイマーセットして枕元に置いておくのね。
うとうとしてる時なまらビビるんですけどどうすれば?
クェエッ!


さて、本日はこれのその2から派生致しました、パロディでございます。
しかも文章でございます。
あれ、イラストサイト・・・?
良いんだ、ヴァナの最初だって文いれたんだから。
素人の文章なんて見苦しい!と言う方は全力で →逃げる

どんなもんよ?という方は、 ↓つづき

<簡単設定>
・人と人じゃないものがお隣さんの世界
・日本っぽい所が舞台→人は黒髪が多い、他は様々

気が向いたら増えるかも。











小さな子供が海を見ていた。
昨日も今日も。
朝も昼も夜も。
何日か経って、少しだけ近くへ寄ってみた。
近づいても振り替える気配をみせない。
気づいてはいるが、頑なに目の前に広がる海を見ているようだ。
一時も目を離さず、その背中はぎゅっと固く緊張していた。

ある日、子供に話しかけてみようと思った。
その子供はよく陽に焼けていて、少し髪色が明るい。
それは多少の違和感で済まされるかもしれないが、上半身が裸であったり、
何日も同じ場所でじっとしているのが気になった。
いくら暖かい季節でも、夜は冷え込むのに。
一度も家に帰る事もなくそのまま過ごしているのだろうか?
ふと、お腹は空いていないのかな、と考えた。
でも、自分の姿は恐がらせてしまうかもしれない。
ただでさえ大柄な男なのだ。
しかも目付きが悪い…という自覚もある。
それに…。
体格は変えられないが、隠せるところはある。
街中を歩く時のように、頭にかぶりものをする事にした。

よく晴れて海が遠くまで見渡せる日。
ためらいながらも、子供の固い背中に声をかけてみた。
「…ずっと、何を見ているんだ?」
子供は何も反応しなかった。
「腹は、空かないのか」
子供の目線が気だるそうに泳いで、カチリと逢った。
空のような青碧の瞳。
今更ながら、ヒトではないかもしれない、という事実に思いあたる。
ヒトは、黒髪に黒い瞳を持つ事が多い。
海を越えた先にあるという大地では違うのかもしれないが、少なくともこのあたりでは。
だが、それが何だというのだ。

「…何を探しているんだ?」
子供の目線は、海の一ヶ所を見つめているわけではなく、波間をさ迷うときがあった。
何か言葉を返してくれないか、しかし今話しかけている自分は警戒されても仕方ないのか、
と思考を巡らせた時だった。

「うみ」
子供から、その年齢にしては空虚とさえ感じる程平坦な声が発せられた。
話せる、という事に安心しつつも、声の温度のなさにひやりとする。
「親父が、いる」
そう言って子供は海へ視線を戻す。
それに倣い、男も海を眺めた。
親父がいるとはどういう事だろう。
波間を泳いでいるのか?

遠くの海に、キラリと光るものがあった。
光を感じた瞬間、海から大きなものが姿を表す。
とても大きな。
知っている生物ではない。
生きている大きなもの。
生物というよりは、それは自然そのものだと感じた。自然が息をして、動いている。
未知の恐ろしさの中に美しさを感じる。
圧倒される存在。
それが何なのか分からないまま、思った事を聞いてみる。
「あれが、おまえの親父さんなのか」
子供はそれを見つめたまま、ぼんやりと言う。
「親父は海だから。海に還ったまま帰ってこなくなった」
ぽつりぽつりと紡がれる。
「かあさんは一緒にいたけど、親父の所に行くって。海で一緒だって」
子供の瞳が陰っていく。
「おれは…海じゃないからいらないって」
子供の瞳が潤み、雫を流し始める。
「かあさんは、おれは何か違うって言うんだ。」
子供の瞳は海に溶けそうなくらい涙をこぼしていた。ずっと我慢していたか、泣くことも
できなかったんだろう。

手拭いを持ってくればよかった、と思いながら子供の頬を伝う涙を手で拭う。
次から次へと流れてくる涙で手が濡れていく。子供の頬はひんやりとしていた。
何か言わなければいけないと思ったが何と声をかければいいのか。
「おまえのせいじゃない」
子供の涙はとまることなく、顔はもうぐしょぐしょだ。
もう手では拭いきれない。
頭から被っていた布を外し、ぐいぐいと子供の顔を拭き取る。
濡れた部分は折り返し、頬と同様に冷えた肩へとかける。

子供はその行動にか、布から現れた色彩にか、ポカンとした顔をしていた。
子供の瞳が異色というのなら、自分は何なのか。
陽に焼けずとも色の濃い肌、白髪とまではいかない、鉄のような鈍色の髪。
仕上げは瞳だ。
つり上がった形を彩る、雄黄色。
ヒトは俺をヒトでは無いという。
晒してしまった姿に後悔を覚えた。

だが、子供の涙は止まったようだ。
少し伏せた瞳と、子供の瞳がぶつかる。
顔を反らして立ち去ろうかとも思った。
その時、子供の口が小さく動いた。
「きれい」
その一言に目を見開く。
「月みたい」
予想もしなかった言葉に、手が震えた。
「かあさんが、おれは太陽だって言ってた。親父は海なのに、お前は違うって。
お前は空のものだって」
先程まで涙で濡れていた瞳をまんまるにして見つめている。
「あんたも空にあるもの?」

気づいた時にはひとりだった。
たまに誰かといて、あなたが何でも関係ない、お前はお前だと言ってくれた。
でも自分は何なのか分からなかった。
「わから…ない、んだ」
でも、お前は恐がらないんだな、と聞こえるか聞こえないかぐらいの音で呟く。
何だかとても、心が落ち着いた。
俺も恐れずにすむ。
子供の肩にかけた布を掴む手に僅かに力がこもる。
その時、くぅぅ~…と微かな音が聞こえた。
子供が悲しそうな、情けないような顔をしている。
「…腹が減ったのか?」
子供は問いに答えず、眉を下げて足元をみている。
なんだ、普通の子供と同じじゃないか。
知れず笑みがこぼれる。
「お前の家は?」
子供はふるふると頭を左右に動かす。
「おいで。大したものは無いけど…この近く…海の近くだ。親父さんたちも見えるだろう」
立ち上がり、子供の手を握ったところで、子供が寒さに震えているのに気付き、布で巻き込む
ように抱き上げる。

歩き出し、男は告げる。
「俺はフリオニール。お前の名前は何ていうんだ?」
子供は難しそうな顔をして音にする。
「ふにおいーる?」
「フリオ、ニール」
「ふりお、みーる」
「うーん…近いんだけどな…」
短く分けても言いにくそうにしている子供に笑いかけ、呼びやすいように短い呼び名を試す。
「フリオ」
「フリオ!」
「うん、それでいいよ」
フリオ、フリオ!と子供が布越しに甘えかかってくる。
それを落とさないようによしよしとあやして歩いて暫くした時だった。
「フリオ」
「うん?」
「おれ、ティーダ」
名乗ってくれた子供の頭をわしわしと撫でながら家へと向かう。
「もうすぐ家につくぞ、ティーダ」

ひとりじゃない日は久しぶりだった。
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kuuri

Author:kuuri
kuuと名乗ったりもします。

いつのまにか一周年でした。
なんとか続けていけてます。ありがとうございます。
今更ですが、目次の□やらなんやらにカーソル合わせるとタイトルは出るんですが、スマホだとわかりませんね。

カウンター5000回転しました。ありがとうございます。
記念?を順次アップ予定です。
ディシディアrank登録消えてます。


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